作家生活50周年を飾る巨匠の新たな代表作!
巨匠、作家生活50年。
名作の開幕の時がきた。
暗い時代に自分が書ける楽しい物語とは何か?
帝王キングが出した答えが本書だ。
世界最強の想像力が生んだ、異世界の冒険がはじまる!
ぼくの住む町には〈サイコハウス〉と呼ばれる不気味な屋敷がある。そこに住むのは偏屈な老人がひとり、閉ざされた門を越えると猛犬が襲ってくるという。ある日、悲しげに鳴く犬の声に気づいたぼくは、屋敷の主が梯子から転落して苦しんでいるのを発見した。 これがぼくとミスター・ボウディッチ(と、犬のレイダー)の出会いだった。
怪我をした老人の世話をするため家の立ち入りを許されたぼくは、ボウディッチ氏やレイダーと心を通わせはじめる。噂とは裏腹に老人も犬も恐ろしくはなかった。だが、徐々にぼくは奇妙なことに気づきはじめる。家の裏手から妙な音がときどき聴こえてくるのだ。ボウディッチ氏が奇妙に裕福なのも謎だった。そしてある日ぼくは、氏が大量の黄金の粒を金庫に入れていることを知った――これはいったい何か? どうやって老人はこれを手に入れたのだろう?
謎が謎を呼び、ぼくは徐々にボウディッチ氏の秘密に近づいてゆくが――
絶望に閉ざされたコロナ禍に、巨匠は自身にこんな問いを投げた――
What could you write that would make you happy?
自分が楽しくなる物語。あるいは暗く先の見えない時代にみんなを元気にする物語。
さあ、自分ならどんな物語を書く?
その答えが本書である。
だから最後に待つのはもちろんハッピーエンドなのだ。