狗神が守護する此花家に生まれた千祥は、霊力は高いがその手で触れたあらゆるものの命を奪ってしまう『呪い持ち』だ。
その手のせいで従妹をはじめ一族から虐げられ、死んだように地下室で長い間生きていた。
ついに此花家次代当主を選び、狗神と縁を結ぶ儀式が行われることとなった。
狗神への供物になれと命じられた千祥だったが、儀式当日、召喚された狗神の玲から見初められて当主に選ばれてしまう。
けれど一族はけして認めず、自信がない千祥も戸惑いを隠せない。
前途多難の中、人間嫌いだが誰よりも強く美しい玲は「俺が君を守ります」と言い、千祥の呪われた手に触れてきて……。