バブルの寵児ともてはやされた不動産王の夫と八年前に離婚し、現在は脚本家として働く沢野瑞枝。
夫はバブル崩壊後にすべてを失い、失踪してしまったため、一人娘・日花里の養育費も払われないままだった。
あるとき、年下のプロデューサーの奥脇から、瑞枝自身をモデルに「バブル期をドラマに描かないか」という依頼を受ける。
夫との出会いや結婚生活など、自らを切り売りするようなオファーに躊躇っていた瑞枝だが、娘からの励ましを受けて仕事に挑み始める。
執筆中に当時のことを振り返る中で、ずっと会っていなかった元夫の影が現れ、離婚以来音信不通だった夫の親友と再会し、
さらには自身のドラマに出演する人気俳優が接近してきて…。
一人の女性、そして家族の再生を描く傑作長編!