前職で人間関係につまずき、25歳を目前に再び就職していた環は、小さなデザイン会社の求人に惹かれるものがあり応募する。面接当日、彼女を待ち受けていた社長は、子どもの頃に見た地元のアイドルユニットで一番輝いて見えた、あの人だった──。アイドルをやめて会社を起こした菜里子と、アイドル時代の彼女にあこがれて芸能界に入ることを夢見ていた環。ふたりは不器用に、けれど真摯に向き合いながら、互いの過去やそれぞれを支えてくれる人々との関係性も見つめ直してゆく。年齢、立場、生まれ育った環境──全てを乗り越えた先の物語。/解説=瀧井朝世