幼い頃から病弱で、高熱により死にかけたことがあるコーリー。彼女を溺愛する家族から過保護に育てられ、コーリーは箱入り娘の伯爵令嬢になった。婚礼適齢期となって参加する夜会も、付き合い程度で顔を見せるばかりで、最後までいたことがない。そんなコーリーには、誰にも言えない秘密があった。それは、夢渡りという能力。眠りにつくと、家族や友人などがどんな夢を見ているのか、覗けるのだ。夢の中では、彼らの本音などを見聞きすることができる。だからコーリーは彼らと現実で顔を合わせた時、相談を持ちかけられれば、彼らに寄り添った返答をすることができていた。ある日、コーリーが悩み相談に長けているという噂を聞きつけてか、兄の友人である将軍ライオネルが訪ねてくる。ライオネルは強面だが、話してみると女性の扱いが苦手な、どこかかわいさを持ち合わせる人だった。――ところが。その夜コーリーが見たライオネルの夢は、ライオネルとコーリーが淫らに絡み合う淫らな夢で……。