静寂が支配する夜の城館で紡がれる、身分違いの純愛物語。
「今宵一夜だけで構いません……私を抱いてください」
堅実な領主と献身的なメイド―その運命的な出会いから育まれた愛情は、政略結婚という避けられない現実の前で脆くも砕け散ろうとしていました。しかし月明かりの下、互いの温もりだけを求め合った夜は確かに存在したのです。
「初めて触れられる感触が熱くて、痛くて……でもこんなに幸せなんて」
メイド・サラの揺れ動く心情と、領主の理性と欲望が激しくぶつかり合う官能の瞬間。そして禁断の愛に溺れる二人の刹那的な幸福が鮮やかに描かれます。首筋に刻まれた消えない赤い痕は、生涯消えることのない証となり……。
※ジャスミン書房エピソードは1話完結の短編官能レーベル。通勤時間や眠る前に読める“濃密で短い官能”をお届けします。