■言葉を少し変えるだけで状況を一変
セールス担当者から「これ、すごくいい話ですよ!」と言われたら、どう感じますか。
おそらく多くの人は「うさんくさい」「怪しい」と身構えるでしょう。
では、「これ、悪い話じゃないと思いますよ」と言われたらどうでしょう。
「少なくとも損にはならなそうだ」「話だけでも聞いてみようかな」と思う人はいるはずです。
このように、ほんの少し言葉を変えるだけで、相手が受け取る印象は大きく変わります。
本書ではこのような、自分が期待する方向に相手を動かすフレーズをまとめました。
■脳をハックする仕組まれたフレーズ
「どっちがいいですか?」
「ちょっとだけ想像してもらえますか?」
「逆に、これをやらないとどうなると思います?
「一緒にやったら早く終わりますよ」
一見、よく聞くし、使いもするフレーズですが、状況を間違わなければ、
他人を自分の思い通りにコントロールする言葉になります。
おそらく、多くのフレーズを見て「え?こんな普通の言葉でいいの?」と感じるでしょう。
しかし、人はコントロールしたい、利用したいという願望が見え透いた言葉には動かされません。
大切なのは、自分を思ってくれている、自分に利益をもたらしてくれる―そう感じさせる「やさしい言葉」です。
たとえその奥に、支配欲やわずかな悪意が潜んでいたとしても…。
■コミュ障「相手の立場に立って考えよう」
コミュ強「相手をコチラの立場に立たせよう」
本書で紹介するフレーズすべてに、ある“仕掛け”が仕組まれています。
それが〝相手を自分の立場に立たせる仕掛け〟です。
「相手の立場に立って考えなさい」とは、良好なコミュニケーションのための、
疑いようもない真理と考えられています。
しかし、現実はどうでしょうか?
「相手の立場に立ちすぎた人」ほど損をしているのです。
「相手の気持ちを考えて遠慮した結果、断れずに搾取される」
「相手のわがままを優先して、自分の主張は飲み込んでしまう」
「相手の立場に立って考える」姿勢をあなたが見せても、
相手があなたの立場に立って考えてくれる保証は一切ありません。
したがって、「相手の立場に立つ」のではなく、「相手を自分の立場に立たせる」という戦略的会話術が必要とされるのです。
この発想はコミュニケーションにおいて邪道と見なされてきましたが、
こちらが「相手の立場に立つ」ならば「相手もこちらの立場に立たせる」のがフェアというもの。
そうした意識で言葉を選ぶと、パワーバランスが対等になり自分を優位な立場に立たせやすくなります。
本書ではそのためのフレーズをまとめています
■目次
まえがき 非モテ・吃音・根暗な人間が見つけた相手を動かす言葉
序章 相手の立場に立つな!コチラの土俵に立たせろ!
第1章 自然と相手が納得してくれる依頼と説得のフレーズ
第2章 腰が重い相手が前向きに動き出す背中を押すフレーズ
第3章 厄介な相手を一瞬で止める注意と反論フレーズ
第4章 言葉にシビアなZ世代攻略のための鉄板フレーズ