大学生の高村直哉(22)は、父の再婚相手である義母・高村恵(45)と暮らしている。
穏やかで美しい彼女を「母」として慕いながらも、心の奥では一人の「女性」として意識してしまい、その背徳的な想いをひた隠しにしてきた。
ある日、父の急な出張により、予定されていた家族旅行は直哉と恵、二人きりの旅となる。
二人きりで向かった山間の温泉旅館。
非日常的な空間、浴衣からのぞく艶やかなうなじ、酌み交わす酒──。
徐々に心の距離が縮まる中で、互いに秘めていた想いが溢れ出していく。
母としての立場と女としての本能の狭間で揺れる恵。
父への罪悪感と恵への欲望に葛藤する直哉。
そして、布団が二つ並べられた静かな夜、ついに理性の箍(たが)が外れる。
「忘れましょう、今夜のこと」
──そう囁く彼女の言葉とは裏腹に、身体は熱く求め合い、罪の意識さえも快感に変えていく……。
※ジャスミン書房エピソードは1話完結の短編官能レーベル。通勤時間や眠る前に読める“濃密で短い官能”をお届けします。