■世界を読むカギは「地政学」にあり
国際ニュースは日々私たちを取り巻いています。
ウクライナ戦争の泥沼化、イスラエルとパレスチナの衝突、アメリカと中国の覇権争い……。
ところが、それぞれの出来事は断片的に伝えられるため、
「なぜ起きているのか」「今後どうなるのか」が見えにくいのが現実です。
そんな混沌を理解するために有効なのが「地政学」です。
地理的条件と政治・経済・軍事・外交を組み合わせて分析することで、
複雑な国際情勢が一本の筋道として理解できるようになります。
「海外の政治なんて自分には関係ない」と思う人もいるかもしれません。
しかし国際情勢は、原油価格や輸入品の値段、半導体やエネルギー供給の安定性、
金融市場の動きなど、ビジネスや生活に直結しています。
世界の動きを把握できれば、経済ニュースの本当の意味がわかり、
未来の変化を先取りすることが可能になります。
本書は、複雑な国際問題を整理し、先を読む力を養うための最良の入門書です。
地政学を武器にすれば、ビジネスパーソンとしての視野も確実に広がるでしょう。
■地政学の基本から最新情勢まで網羅
本書はまず、地政学の歴史と基本概念を丁寧に解説します。
シーパワーとランドパワーのせめぎ合い、ユーラシア大陸の「リムランド」と「ハートランド」、
戦略上の要衝であるチョークポイントなど、ニュースの背景に潜む基礎知識を体系的に学べます。
さらに、「バランス・オブ・パワー」の視点や経済要因を組み合わせ、
現代的な地政学の枠組みへと発展させます。
そのうえで、米中対立やウクライナ戦争、AIや半導体をめぐる競争など、
最前線のテーマを取り上げ、いま世界で何が起きているかをわかりやすく解説しています。
アジア・太平洋では、中国の一帯一路構想や台湾有事のリスク、韓国や北朝鮮の外交戦略。
アメリカ大陸では、エネルギーのシェール革命や不法移民問題、南米左派政権の台頭。
ヨーロッパ・ロシアでは、NATO拡大やエネルギー資源の武器化、北極圏争奪戦。
中東・アフリカでは、イラン・イスラエル戦争やサウジ・イラン対立、そしてクルド人やアフリカ紛争の火種。
さらには、日本自身の立場や日米同盟の行方まで──地域ごとに整理された構成により、
国際情勢の全体像が立体的に見えてきます。
■目次
INTRODUCTION 地政学の基本
CHAPTER1 話題の国際情勢を地政学で考える
CHAPTER2 アジア・太平洋の地政学
CHAPTER3 南北アメリカの地政学
CHAPTER4 ヨーロッパ・ロシアの地政学
CHAPTER5 中東・アフリカの地政学
CHAPTER6 日本の地政学