ペン、映画、歌で昭和を駆け抜けた石原慎太郎と石原裕次郎。彼らの軌跡なくして1950~70年代の日本を語ることはできない。二人の人生はエネルギッシュな昭和を背景に、天国と地獄が紙一重、一歩違えば一家破産の危機に瀕していたこともある。本書は、兄弟の絶頂期の凄まじさと、その陰にある苦闘を描き出す。Z世代が注目する昭和レトロの魅力や、対照的な兄弟の性格・人生観、そして稀に見る兄弟仲の秘密を探りながら、同時に日本の高度成長を振り返る一冊である。当時を知る世代には懐かしく、昭和を知らない世代には新鮮な驚きをもたらすであろう。その半世紀前の活気や混沌、そして夢と可能性に満ちた日々が、本書のページから再び息づく。心躍る昭和の熱気をぜひ感じ取ってほしい。