あれよという間にとびきりゴージャスな世界で過ごす話になり、肉親を失った哀しみに浸る暇もなくめくるめく日々。確かにヒロインは、別世界に連れていってくれたことで救われたというのはある。
シーク様素敵で優しい。ただ、同時にお彼が誘いした女性の数
!
息子モーと仲良くなり、そこからのありがち展開の予感に、ストーリーへの興味は萎んだ。
絵は、成熟した男女が華やかに飾り立てるコマのよう数々に目で大いに楽しめる。
ストーリーは恐ろしく普通。
敢えて言えば、「砂漠」とタイトル砂漠のバカンスに冠するだけあって、ちゃんと関わってた。
しかし、バカンスどころではなかったが。
このシーク、金遣い荒い。だからこその、オイルダラーリッチだろうが、仕事
一切登場しないのに、砂漠でシーク物らしい格好した以外カジュアルスタイル無し。
一般にシークと聞いて、読者的に夢見るものを全て出しました、素敵な服や美容マジックで変身しました、彼が気に入ってくれました、子供と楽しく過ごしました、などなどフル装備状態。
クライマックスもこうしたロイヤルファミリーがヒロインの相手だと何度も見て来た景色。
似たように王子の友達枠でお呼ばれされているマリーが、話のささやかな方向転換に活用されているストーリー進行となるが、スピッツ的に終わる終わる。リチャードが影の狂言回し。
初めて行った砂漠で、そこまで?、慎重な私からしたら、ヒロインの行動は無鉄砲で信じられない。
いとこは恐ろしく派手。なのに、親身で、広い人間関係を楽しく築き上げるような、憎めないカラッとしたおおらか美女。そして最大の功績は、引き合わせ、ポジティブに関わり、メイン二人が親しくなるまでサポーターとした最強だったこと。
全般、なんとなく簡単に片付いてしまった感一杯。
絵が見やすくて、男女共に整っている容姿がなかったら、後半にはもう飽きたかもしれない。
「愛の半分は現実に負ける。すり減るし、壊れる。」そうかもなぁ、とついつい、HQを読んでシークの御殿での贅沢生活を目撃してるのに、彼の言葉に負けそうになる。
日本では、親の死亡の後はやることが多過ぎて、それはそれで大変なのだがー
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