千葉麻里絵さんの日本酒と料理のマッチングに対する深い造詣に唸りました。
こういう本を、ずっと探していました!
日本酒に関心のなかった原作者(麻里絵さん)が、飲食業の世界に入って日本酒の魅力にハマり、それを人に伝導する立場にな
るまでの物語が簡潔に、そして面白おかしく纏められています。
日本酒が好きで飲み始めたけれど、どんなお酒をどんな飲み方で楽しめばいいかわからない。
日本酒の知識はある程度あるし、色々な銘柄を飲んできたけれど、もっと面白い飲み方を探したい!
そうした初心者にも玄人にもオススメできる内容。
日本酒という飲み物や日本酒を取り巻く業界に対する丁寧な解説部分と、日本酒の飲み方への固定観念を突き崩す啓発部分とのバランスが非常によくとれていると感じました。
すごいと思ったのは、基本すべて実話だということと、蔵元や○○関係者までもが実名で(しかも頻繁に)物語に登場するということ。エピソード一つひとつが面白いのは、実在する登場人物一人ひとりが個性的で魅力に溢れているからでしょうね。
そして何より、レビュー冒頭でも挙げた日本酒と料理(または調味料や香辛料)のマッチングを科学的な根拠に沿って多数紹介している点。さすがは清酒官能評価者……!
日本酒の温度管理や燗つけの方法、人への薦め方も非常に勉強になります。
この一冊を読んで、さっそく本で紹介されている燗つけを試してみたトコロ、本当に味がころっと変わって美味しかった!!
麻里絵さんの店に是が非でも一度足を運ばねばなるまい、と思いました。
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