夫婦の再燃を描く物語だけれど、夫婦どちらも今一つ 再燃 根拠に納得できない。ヒーロー ロッコの両親は、当たり前に政略結婚で そこに「愛」は無かったとする彼の言葉は 子供に対しての という枕詞が抜けている。これには、彼ら兄弟が、親に愛されたか
ったという思慕を隠している意図が感じられる。事実両親は愛し合っていなかったのだろうけれど、それを2人で埋め合わせている 同士 だった事は その行動が裏付けている。その延長上での死。どんな名前の絆だったとしても 仲が良かったということ。そもそも、伝統的な家系の者というのは、両親が育児に直接関与しないのが慣習なのに、幼い頃に両親が亡くなったことで、それらを歪曲して考えているように見られる。両親が健在なら「ああそういうものか」と自然と受け入れていた事だろう。強いて言うなら、物語の為に あえて トラウマを作った、とみえるのだ。それが、この物語の白けるところ。ヒロイン ニコルとの出会いの為の共通項をあえて作り出したい思惑が透けて見える。方や、ニコルの成長も中途半端で、離婚条件として、仕事上契約の為の夫婦親密演技という返答に対して「契約が終了してからの離婚にすればよい」と切り返すぐらいの成長が見たかった。物語の終盤でも、愛がどんなものか知らなかったと ロッコの言葉も今更過ぎて クライマックスの 饒舌さの感情 が伝わってこず、かなり多い文字数を飛ばして読みたくなった。
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