これはどこにもひねくれのない真っ正面からヒロインの心の扉を叩いてくる、HQにも貴重な男性の存在を描いてる。
南米に住んだことのある人が言っていた。知人らと遊びに行く待ち合せしたら、彼らは馬に股がって現れて馬で動き回ることになって、人生味わ
ったことのない衝撃だった、と。
広い土地空間の感覚に慣れた人たちは、日本人とキャラもたくましさも、ライフスタイルもまるで違うらしい。
その辺を、牧場経営主でもある彼レイフでとても感じた。あとがきにある、ラグビーW杯2019で知ったNZのマオリ族のハカになぞらえる桐島先生の影の目が、成程と感じた。
この話、デイビッドの執着は狂気と犯罪臭で本当に恐ろしいが、HQにはつきまといがたまにある。本作は、ヒロインとは離婚はまだ成り立ってないのだろう?明確な記述はなかったと思う。
精神的DVだと、解ってくれる人はまわりにきっと少ないだろうから、この構図は外見スキャンダラスに受けとめられかねない。メアリは、これからもマリサで生きて行く話だが、それにしてもタイトルからして、そして筋もかなり思わせぶりに作っている。子どものビジュアルさえも。
作り手のその術中に嵌まるのは、一読者として、私には面白くない気分もない訳じゃない。
スレスレで読者を倫理的に反感持たせないようにかわしているが、不倫がダメな人は結局どうあれ好まないストーリーに片足突っ込んでいる。
私は、破綻している結婚生活に 別の流れが入ってくるのは避けられない事だと理解しているから、どうのこうの思わないが。
数年ぶり、ともすると十年超ぶりの再会も珍しくないHQにあって、いくら西洋のお話に瞳の色が重要でも、たったそれだけで思い出す、そこ相当ロマンチックに描写しないと説得力低い。
冒頭のとらわれかたにしては、気づきは淡白。囮作戦で話をスリリングにしたかったかもしれないが、6才の子の経験として、後で真実を知ったらキツイ。強く変われた対比を「デイビッドに」見せつけたいのかしらないが、私はマリサ、とデイビッドにわざわざ名乗る場面も私は個人的には強過ぎ感。
ただ、妊娠線のくだり、うゎそこ敢えて台詞で出すんだ、と悪くない(が、百年の恋も覚めるかの)驚き。
あと、ヒロインがいくら生まれ変わっても、顔の骨格すら別人には見えないものだろうと感じた。
六年間の経過がほんの少しでも描いてあれば、違和感もそこまで強く無かったかも。
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