霧の中のシンデレラ 1巻

夏先生の男性もドストライクで、ページをめくるのが楽しい。らしくない王子様が居て、おとなしく敷かれた結婚話に外堀が殆ど埋められたところに、本命出現。でも、HQだからシンデレラよろしくヒロインは民間ご出身、にして御典医ならぬ御犬樣のお産に招かれたドクター、立場をわきまえていて退場のタイミングを考えて行動している。

王子様、お気に入りのドクターをかまうかまう。一方ドクターは、ひとときの夢に、深入りすまいと自らをセーブしつつ、おしまくる王子からの攻勢をかわしきれず、感情を結局セーブしきれず・・・。だってこの王子様、必殺技が多い。最大級「今から僕のことだけ考えて、約束だよ」。普通にイチコロです。特に91頁～104頁が素晴らしい！


王族ものにしてはお話は派手さ豪華さを競うようなものでない。かといって絵はしっかりと描かれている。舞踏会と変身という、シンデレラストーリー必須の二大要素は揃えて、プリンスが人生の最大行事の結婚が絡むタイミングで、ヒロインを見初めるのは共通。時代がかっている設定ではない。プリンスは真剣に花嫁を探してる。
魔法使いのおばあさん役がノリノリで力を貸して気持ちがよい話。

ヒロインも謙虚でありながらまっすぐにナチュラル、キャラの魅力にも支えられて王子様に負けずにチャーミング。そして、舞踏会シーンの変身ぶりは、王子があっと視線を寄せてしまうのも納得の貫禄のプリンセス水準。

ストーリーの品のよさ、王子の隠しきれないドクター寵愛ぶり、ヒロインの身の程を弁えようとする健気さ、いろいろと読んで楽しいHQ王道。

主人公二人の服のセンスがよいし、二人のシーンにいい雰囲気が溢れてる。
王子様の色気もさらっと出ている。
ハーレクインに期待することがひととおり詰まっている一冊。

犬好きに悪いひとはいないと思う愛犬家の信頼も互いにあるかと思う。特に人を選ぶ傾向のあるワンちゃんを飼っていると、特にすぐ目の前でなついている光景を目にした日には、無条件に親近感高く、あっという間に自分のプライペートゾーンにいるという気になることだろう。

マクシム殿下パーソナルスペース狭すぎっ！そんなんじゃぁどんな女性でも勘違いしますから。前半部分の王様はマクシムの結婚相手は好きな女性なら誰でもいいようなことを言っておきながら、フランチェスカは獣医で一般女性だから苦労させるからやめとけって、それはないでしょ。コジレタのはそのせいです。作中にはマクシムとフランチェスカの心中が溢れんばかりに書かれているので読み手には両想いが分かっているだけに読みづらくて仕方ない。「本気にするぞ」「間違ったじゃすまない」って、えっ今告白しなかったっけ？あれ？ああ心の声か・・・。みたいなところが多くてマイリマシタ。王道シンデレラストーリーですから面白く読みました。子犬がいっぱいで羨ましい！可愛い。

ストーリーはキュートな獣医のヒロインとかっこいい自由な王子様に伝説を絡めたステキな内容です。
しかし、この作家の本領はゴージャスな衣装本当に夢のようにステキな衣装を描かれます。
女性のドレスは当たり前ながら、男性の衣装もすごくステキ。
是非是非そこも気にしながら読んで欲しいです。

最初絵柄が気になってたのですが途中から全くどうでも良くなりました。
恋愛的なドキドキ感は薄いんですがとにかく登場人物みんなまともでいい人で特にヒロインもヒーローも地に足ついてる感じで本当に安心して読めました。
特にヒロインの自立と内面的な魅力ときたら。