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有賀リエ連作集 工場夜景
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有賀リエ連作集 工場夜景

720pt/792円(税込)

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作品内容

工場地帯の近くに住む幼馴染の高校生、碧と貴臣。2人はお互い惹かれ合いつつも、ただなんとなく日々を過ごしていた。「高校最後の夏休み、2人きりで工場夜景を見に行こう――」そう約束して、始まるかに見えた恋。しかしその関係は、ある事件をきっかけに、抗えない運命に翻弄されていく…。車いすの男性との恋を描き、累計200万部を突破した大ヒット作『パーフェクトワールド』有賀リエが、不条理に満ちた世界で、それでも想い合う2人を描く社会派ラブストーリー第一弾。

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レビュー

有賀リエ連作集 工場夜景のレビュー

平均評価:4.7 119件のレビューをみる

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高評価レビュー

静かな筆致で描かれる胸に迫る物語
時々偶然目にしたレビューが気になって購入ページを見てみると、殆どのレビューがネタバレ防止で内容は読めないもののタイトルとほぼ☆5が並んでいる様子と、その佇まいで良作の予感がしてあらすじも読まずに購入してしまうことがある。この作品も、こうして出会ったのだが、案の定良い作品だった。なので、ピンと来たらこの先のレビューは読まずに作品を読んだ後に目にしていただけたら、と思う。
この作品は工場夜景というタイトルからは予想もつかない展開をする話だ。表紙の男の子と女の子の淡い恋の話かな?というところまでは合っているのだけど、ある出来事がきっかけとなり、その関係が変容してしまうのだ。
あなたは悪くない…と人から言われることはあっても、自分から自分は悪くないと言うことが社会的に許されない人がいる。そして作中で「沼」と表現されているが、その渦中に突然巻き込まれて、最初は耳も目も口も塞がれた状態のようになってしまう様子を、そしてデジタル化社会の中で、いつまでその状況が続くのか、見通しがいつまでもつかない様子を的確に表しているように思えた。同時に、一体そうやって息をひそめて生きている人々がこの世の中にどれだけいるのだろうと思い浮かべて想像した。
そんな中、作中の彼の人の振舞いは、渦中の中、何が正しいのか分からなくなってしまう環境の中、光の指す道標のようになったことだろう。そして、最後に再び登場する工場夜景。人により構成される社会に翻弄されたその人にとって、人が意図せず作り上げた美しい光景はその出来事の前後を問わず変わらないものの象徴でもあり、沼から見上げた道標の象徴ともなり得たように感じられたのではないか。テーマと無関係のように思える工場夜景をモチーフにした作者の手腕が光る。
作者の決して扇情的に描かず、抑えた筆致ながら、真摯な登場人物の描き方が、自然と登場人物に感情移入させ、自分ならどうするか、と押し付けがましくなる考えさせられるのも、この作品の良いところだと思う。
そして、この作品の救いは、ちゃんと理知的に物事を考えられる人々が現れ、未来への希望を抱けるところだ。
突然、この作品の誰かに自分がなってしまう日が来るかもしれない。この作品を読んだ読者が渦中にいる人々に出会ったとき、この作品を思い出すことがあれば、と思う。
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11件
2022年7月5日
とても考えさせられた
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ ネットの記事の間に突然出てきたわずか何秒かの広告だったが気になって即購入。何の罪もないのに苦しみ続ける若い2人に胸を抉られ何度も泣かされた。今鼻が詰まって苦しいぐらいに。どちらも不憫で可哀想で…。ただ、自分が碧の父親以外の大人の立場になったと考えるとどの気持ちも否定できない。例えば碧の母なら。夫を許せないのは当然だが確かに何故そんな大事にするのだと思ってしまう気もする。同じ女性でも自分と自分の子供を守りたいと思うことだろう。(碧の母は子供に守られてしまっているが…そうなってしまう弱い人もいるかもしれない)貴臣の母なら。そういった経験は自分にないけれど、やはりある程度年齢がいってからの出来事に事件そのもの以外でも傷付けられて苦しく、碧の存在すら疎ましく自分の息子にだって関わって欲しくないと当然思うだろう。自分が事件に関わっていない部外者なら。会社の派遣の子にそのような過去があると知ったら、本人がきちんと仕事をする何の問題もない人ならばきっとこれまで辛い思いをしてきたんだろうと、口には出さなくとも普通に接してあげたい。只々見守ってあげたいと思う。この辛く苦しい話の中で、貴臣の会社の上司や碧のバーのママさんにとても救われたので、自分ならそういう存在になりたいと思った。過去の大きな事件の加害者の家族の記事を読んだこともあるが、それは壮絶な思いをされていて、自ら死んでしまった人もいる。碧がそうならなくて良かった…。2 人の穏やかな今後を応援したい。絵柄は全体的にすっきりしてて碧はかわいらしく貴臣は見た目もかっこいい少年→青年でとても好きな絵です。なのに話は重厚で、でも読みやすく、素晴らしい作品に出逢えた事に感謝。
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1件
2023年2月18日
真昼には見えないもの
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ ひと昔前は「犬に咬まれたと思って」など言われた性犯罪。もうそんな事は通用しないのに男はいとも簡単に自分勝手な考えで加害者側になるな、と昨今のニュースで思う。碧の父親はその後何を思っただろうか。平凡なサラリーマンの父親は序盤、女性がバリバリ活躍する時代と言いながら妻を揶揄する。逮捕されるまでの日常を過ごしている間、貴臣の母親の事を考えたことはあったのか。何もかも失くして家族の人生まで困難にしたことをどう思うのか。碧と貴臣、加害者家族と被害者家族という立場に一変し、昨日までの夢や淡い恋心、青春は真っ暗闇に消えてしまう。残酷で無情で悲しい。「パーフェクトワールド」で社会派として知られた作者だけど、やはりさすがです。ラブストーリーの要素で描きつつ、客観的な視点を失うことなく、興味本位や過剰に煽ることなく、家族や周囲の視点や思いなど描いていないところまで考えさせられる。これが青年マンガのジャンルというのも意味があるかもしれません。工場夜景のむき出しの美しさに読者は何を見るのか。余談ですが昔の某ミステリー漫画の工場夜景が星座に見えるというのを思いだしました。見たいように人は見るけれど、昼と夜で見え方はこんなにも違う。碧の涙ながらの願いは難しいからこそかなってほしいと思いました。
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1件
2024年12月28日
苦しい…
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みで気になって購入。

ごく普通の男の子と女の子が、ごく普通に暮らしていたのに、ある日突然それは崩壊する…

碧と貴臣ほど近い関係で、とは珍しいかもしれないけど、実際ふたりのような人達はたくさんいて、生活する中でどれほど周りの目を気にしたり、したい事を諦めたりしないといけないのかと、、
それは何年経とうと消えることもないし、今はSNSで簡単に蒸し返され拡散され…
被害者家族にも加害者家族にも感情移入してしまってものすごく苦しかった。

それにしても碧の父親は初めから母親に対する態度や物言いが胸糞悪かった。女性を下に見ているのがよくわかる。犯行の事も女性が誰にも言うわけないとでも思ったのか。
可能ならばこの父親だけが生涯周りから責められ続け謝り続け、苦しんで苦しんで一生を終えればいいのに、と思ってしまう。

貴臣の母親を思うとふたりが一緒になることは現実難しいとは思うけど、少しでもあたたかい人達に囲まれて笑えたらいいなと思う。

誰にでも起こりうる事。当事者ならどうか、周りの立場ならどうか…。
正解がない故に、ものすごく考えさせられる物語でした。
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0件
2023年2月13日
考え抜かれた設定
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さまは凄いと思った。
被害者家族と加害者家族である2人の、超絶に切ないラブストーリー。碧の父親が犯した犯罪を性犯罪にしたことで、家族には全く非がないことがはっきりする。これが殺人や傷害などの暴力犯罪だったり、盗みや詐欺、収賄などの金銭的な犯罪だと、「なぜ止められなかったか」とか「その金で暮らしていたくせに」とか、世間はよりごっちゃにして家族を見ると思う。また、性犯罪であるがゆえに被害者が加害者側に抱く嫌悪が理屈でなく、本能のものになる。
苦境に耐えながらも自分の価値を上げる努力を続けてきた碧。家族に罪はないことをしっかり認識し続けてきた貴臣。
地味な只の人である2人の、純粋な愛情は、昼間は冴えない工場が夜には不思議と美しい姿を見せてくれるように、気高く浮かび上がる。
本筋と離れたところで、気になっていることがある。碧の弟くん。彼は性犯罪者の息子として、碧よりずっと過酷な立場だ。いじめられたエピソードはあるが、もう一つ自分がその血を引いている=自分もそういうことをしでかすかもしれない、という恐怖を抱えて生きることになるんだろう…。
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1件
2023年4月20日

最新のレビュー

難しいテーマですが
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 有賀先生は人の繊細な感情を作品にするのが上手いと感じてましたが、この作品は加害者家族、被害者家族それぞれの苦悩が凄く伝わってきました。碧ちゃんが良い子過ぎてもう…自分自身の行為ではないのに罪の意識を持ち続けて息を潜めながら生きる中でも、家族を思いやりつつ英語の勉強を続けていたエピソードとか泣きます。加害者家族が直接関係のないはずの周囲の人々の無責任な言動でささやかな日常を送ることさえも難しくなること、特にSNSの何気ない言葉の攻撃力の高さなど、色々と考えさせられます。希望がある感じのラストだったのが救いです。2人が幸せであると良いな
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2件
2025年3月4日

書店員・編集者などオススメレビューをピックアップ!

親の罪に翻弄される子の運命
広報:熊五郎(シーモアスタッフ)
碧と貴臣、思春期の二人に起きたお互いの家族も巻き込む残酷な出来事のせいで、夏休みのある日を境に二人の世界には絶対に超えられない壁ができ、それまでの関係も崩れ希望しかない未来が崩壊していく様子を読んでいて辛かったです。一生消えない感情を隠しながら生活していく二人、その家族、それを追い込む周囲の環境に物語は終始重く心にのしかかりました。それからお互いの道を歩み成人した二人が再会し時には胸が熱くなり、高校生の時に叶わなかった約束の場所に行き、お互いの気持ちを告白して距離が縮まった時には涙が出ました。最初から最後まで胸が苦しくなる作品です。また田舎の起業城下町が舞台で自身の生い立ちと重なり感情移入しました。ハッピーエンドでしたが、この先の二人の物語も作者の有賀リエ先生には是非描いてほしいです。

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