結婚式がダメになったという幕開けをするストーリーはあるが、元々成立など有り得ない為に式を自ら幕引きするつもりだった、というのは、そこは目新しい。
その目新しさにより冒頭で読み手を引き込む効果は有ったかもしれないが、その後は読み進めるうちに
、なんだこういう流れ?、と、凡打に終わりそうな悪い予感が頭をよぎる。試し読みの内に期待し過ぎたのかな、と。
お兄様とのハードな解決には、いかにもお話のための展開だなぁ、一歩間違えばもう一人失ったかも、なのに、とは思った。
砂漠がそれなりにメインに扱われていて、しかも、二人の結婚が、砂上の楼閣ならぬ砂で作られたかのような見立ては、いいと思った。
知人が北アフリカの砂漠の夕陽がとても美しくて感動したと、あれだけ見ただけの旅行みたいに結果なってしまったが、それでも構わないと思った、と言っていた。
砂漠に寝転ぶ図は見ていて落ち着かなかったが、それを含めても、窓の外の景色とか、砂漠情緒(!?)は出ていた。
二人はこれからどこに暮らすのだろう。アメリカと行ったり来たりかもしれない。お兄様のこどもがまだであるならば、こどもが生まれれば王位継承権が高順位であることから、アメリカに戻れなくなるだろう。アメリカで築き上げた彼の帝国はするとどうなってしまう余暇、とか。
お兄様は気の毒に政略結婚かぁ、とか、余分なことに発想が行ってしまう読後感だった。
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