190ページ。
短篇7話+表題作の描き下ろし。
実兄弟もの好きなので読みました。短編集なので実兄弟の分量は少ないですが、とても良かったので満足です。全体的に地味で、そこにふっと浮き上がる激情に掴まれるものがあります。
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表題作 両親を亡くした、二人きりの実兄弟。両親が生きていたらこうはならなかったんじゃないかな、という少し悲しさのある二人ですが、寄る辺なき世をせめて二人で、というのはこう……良いですね! 弟目線の話ですが、垣間見える兄の感情に揺さぶられまくり。そしてラストの弟の覚悟に完全ノックダウンですわ。試し読みで見られる、兄が弟の顔に触れるシーンが目付き含めてとても良かったので、そこにグッと来る方はぜひ。星5つ。
・『home』表題作の番外編っぽい、前作の兄の同僚が主人公。前作の二人の様子が見られます。話自体はBLではない気がする、同僚の兄弟関係にまつわるちょっと葛藤の話。
・『恋伝導』高校の教師と生徒。大人の弱さみたいなのを描いた話だとは思いますが、どちらかと言うと、作劇に若さを感じます。
・『難攻不落の隣人』幼馴染(ちょっと年の差)の再会もの。
・『君にふれるべからず』同い年の幼馴染DK、ちょっともだもだ。
・『春めく人々』電車で出会った、親子ほどの年の差の二人。どちらも陰徳を積むタイプっぽいので、平穏に幸せになってほしいです。「ただそれだけなんだ」、その気持ちが恋だね!短いお話なので仕方ないですが、受け入れるのがあっさり過ぎというのは葛藤好きには惜しい。巻末にその後おまけ漫画(カバー下)が付いてます。星4つ。
・『サイレント』二人きりの図書室での逢瀬。駆け引きが強めでエロ多め。
・『スイートホーム』表題作のエロあり描き下ろし。兄にはせめてもの逃げ道が必要なんだろうな、という「兄でありたかった」責任感の葛藤が見えて良い。
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