いくら他人に会社を譲りたくはないからと言って、会ったこともない姪に会社を託すこと自体あり得ない話。以前にも書いたが、物語を面白くするためには、リアリティーが必要。当たり前にある現実と空想の中にしかない事象が相まっている事こそ引き込む要因とな
ると考えている。ただ資産を残した、というのとでは明らかな違いがあって、これでは、会社丸ごと投げたも同じだ。タニアはどこかの会社で秘書として働く予定だったという事と、会社の資料から社員を覚えたという事で必要に応じて順応し賢く采配出来る設定なのは納得するが、香水の処方箋を盗用したという株主総会での顛末には現実離れした茶番劇のそれを彷彿とさせていて満足できない。また、ヒロインとしての変身にも魅力が無い。ハリーが恋人と別れる際に「ロリコン!」と叫ばれていた通り幼く見えるようなキャラが作られているのだろうが失敗しているように感じる。それでも、タニアが故郷を離れて会社のために尽力する姿の一挙手一投足に見惚れてホレていくハリーのそれはトキメク要素となっていた。
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