マッチングアプリで、男を転がして遊ぶのがマイブーム。
大の男が犬みたいに夢中で追いかけてくる姿がたまんない。
セックスなんてただの暇つぶしだし、
どうせ好きになることもないし。
いつも通り、焦らして遊んでやろうと思って出会った年上の尚弥くん。
でも彼は、何度手を出せる隙を作ってあげても一向に手を出してこない。
「なんで、今までずっと…
私は尚弥くんと…」
優位に立ってたのは私の方、だったはず。
こんなこと言うつもりじゃ…
「尚弥くんと、何? 続けて?」
穏やかだった尚弥くんの冷たい視線で、私は理解した。
ーーああこの男、私と同じなんだ。
ずっとずっと、私を焦らしてたんだ。
私が初めて欲しがった時、
尚弥くんも雄の顔をして私を求め出してー…
※本作は虹森ゆりた、THE猥談の個人誌作品の電子書籍版となります。【24ページ】