「すごいパンパンだ。おっきいねぇ。腰ビクビクしてる。気持ちい?」
港町で暮らす青年・櫂(かい)は、ある朝に漁港で眼帯をした傷だらけの女と出会う。
野良猫のような、どこか寄る辺のない雰囲気のミステリアスな彼女に、たちまち心を奪われてしまう櫂。
するとその晩、櫂が働く居酒屋に、見ず知らずの中年男に連れられて女がやって来る。
男に身体を好き勝手触られても、表情を変えない女の投げやりな態度に、とうとう櫂は居ても立っても居られず、彼女の手を掴み、暗い海沿いを走り出す──…。
何かに導かれるように出会ってしまった二人の蜜月は、刹那か永遠か…。