【本作品は同人誌となります】
あらすじ
フェルシア国の王位継承権第一位、次期王女……この大層な
肩書が精神的負担になっている主人公「シア」。
さらに今は表だって争いになっていないものの、従弟が王位を
継ぐことに意欲的だったりと、日々悩みは尽きない。
でも特に悩みの種になっているのは、
昔は仲よく遊んでいた「ロウ君」の存在だ。
エリート軍人家系、カーティス家の跡取り息子である彼と自分は
父親同士の交流があるのもあり、かつてはまるで兄妹のような関係だった。
でも時が経つにつれ、彼の「面倒見が良い、頼れる」と
思っていた言動が「過保護で自分を縛るもの」だと
薄っすらと気がついてしまったのだ。
まるで恋人に向けるような熱い視線も困惑でしかなく、
とにかく彼とは必要以上に交流しないように心がけた。
ーーそう、それで上手くいっていたのに。
何故、このタイミングで彼が私の護衛に?
理解できない展開に焦ってしまうけれど、落ち着かなければ。
だって今、隣国の貴族の男性と婚約の話が進んでいるのだ。
まだ身内しか知らない、秘密のこの話をロウ君に知られるわけにはいかない。
もし知られたらあれこれ言われるのが目に浮かぶ。
こっそりと…正式に婚約の話がまとまって、
誰も口出しできない状況になったらおおやけに……ーー
父様は最近体調が優れない日が続いているので、国を出る申し訳なさはあるけれど
でもだからこそ自分が国に残って、将来的に争いになるのは避けたかった。
ここで自分が隣国に嫁げば、私もみんなも幸せになれる。
従弟が次期王になれるし、私は重責から解放されるし、
父様も結婚したら安心するはず。
それなのに、何故父様は婚約は破談にしたと言っているの?
何故……ロウ君と婚約をする話になっているの??
「せっかく自分の意思で選んでくれるのを待っていたのに、
裏切るようではこうなっても仕方ありませんよね」
気がつきませんでした? 姫様の味方はもういませんよ。
みんな、俺のコマですから。
だから諦めて、俺の手に堕ちてください。
本作品は同タイトルの合冊版と内容が重複しております。
■総ページ数:29ページ