「俺にはあなたしかいない…いないのですよ、紫野」
ダメだと分かっているのに、身体の奥底が震え、“あなた”を欲してたまらない――…
困窮する実家のため、葛城侯爵に嫁げと言われた芳谷紫野。そんな彼女には、忘れることのできない初恋の人がいた。
以前叔父のもとに下宿していた書生・久我東鷹。一度は駆け落ちも誓った彼との恋を忘れられない紫野は、無理やりの結婚を拒み、家を出ようとする。
だがその矢先、当の東鷹が彼女の前に現れた――婚約者・葛城東鷹として。
かつて彼の愛を裏切った紫野は「誰とも結婚はしない」と拒絶するも、そんな彼女に酷く執着する東鷹は、紫野が逃げる意思をなくすまで何度も抱き潰して…!
【元書生の軍人侯爵】×【素直になれない没落令嬢】
終わったはずの初恋が再び動き出す、切なく妖しい明治ラブロマンス