令嬢たちの誰もが羨望する、王弟レオンハルトとの婚約話。その相手が、先日国王ヨアヒムとの婚約を解消されたばかりの公爵令嬢マーリアだと知り、社交界はざわめいた。
まるで権力と地位ある縁談に次々と縋っているかのようなーー。悪意ある噂が飛び交い、マーリアは好奇と嘲笑の視線にさらされていく。
そんな中、マーリアは王太后に呼ばれ、その私室へと向かっていた。突然持ち上がったこの婚約話に、彼女はまだ答えを出せずにいる。王太后はこの縁談を望んでいるのか、それとも否定されるのかーー。不安を胸に、マーリアは王太后との面会に挑む。けれど、そこで語られたのはレオンハルトとの婚約の是非などではなかった。王太后の口から語られたのはーー。