過酷な生活環境、ひ弱な都会人は経験のひとつにはしても、そこに住み続けるのには覚悟も根性も要る。期限付きの雇用なら、終われば帰る事が出来る。
ハルという男性は、いろいろ諦めなければならなかったろう。シティライフではなく、女性が最後まで居てく
れることを。
ヒロインはどこかの地域でなければやれない職業ではないから、好都合設定ではあるが、やはり、映画に買い物に、それなりに都会生活を楽しんでもいて、なにより、生活基盤は長年町にあったわけで、アウトバックの日々とは極端に違っていた。
こういうケース、居てくれと頼まれてほだされると、第二のハルの母親になる危険はあろう。
しかし、ヒロインは、自ら、断られたら帰るところはない、という覚悟で飛び込むのだ。
こういうのを天晴れというのではないだろうか。
それが愛なんだ、だってそこからが愛なんだ、なのだろう。
心を残してアウトバックにやって来て、便利さから断絶した大地で、雄大な夕陽を見て日々牛や家の用事もして、自分の手料理に舌鼓を打ってくれる人たちが居て、気がついたら恋に落ち、結局腹を決める。
そういう人に出会えることが、普通に格好いいと思う。
瀧川先生の男性は、ちょっと馬面なのが、玉に傷。
表紙も、もう少し上下に詰まった輪郭が私は好みだ。
(絵の好みは無関係に)星は4.6位の気持ち。
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