南北戦争に簡単に触れている前半の一節を見て、彼アダムにまつわる何かがあるな、とは思ったがー。
国内を二分した南北戦争という内戦の凄まじい傷跡。それは戦後すぐに諍いを終わらせず、何重もの憎しみの連鎖が南北の境目にいる人々を長く苦しめた。
もつれて根深い爪痕は、日本なら時代は維新直前のことで、古い話ではない。
今のアメリカの分断を思わせる。
それはさておき、ヒロインダイアモンドのその気になったあとのスパッとした行動はとても気持ちがいい。彼を疑うことからすっかり解放されたとき見えてきたものはー。
ガンマンとしての、腕前が惚れ惚れモノの反射神経と、高い的中の精度。相手が銃の引き金を引く直前に指を掛けた直後に(自己防衛のための根拠のために拳銃に手を掛けたまま、狙撃されていることが必要だから)寸分の狂い無く驚異の百発百中レベル!何者なのか、と驚嘆もの。西部劇的面白さは、漫画ではそのコンマ何秒のシューティングを描写するのは厳しいが、アダムが凄腕であることを示せば、後ろから撃つ卑怯な射撃とは無縁の男と容易に解る。
彼の台詞が情熱を感じさせて、冒頭からは信じられない結末となり、お定まりの、敵みたいなポジションからのロマンスが綺麗に片付いた。
たった2冊分の頁数でよくぞここまで読ませてくれたものだと、手腕に拍手。
セットと同じオリジナルを電子化していたら、アダムのベッドサイドで看病のダイアモンドの顔の絵、左の唇上の印刷の汚れ(ゴミが、付いた!?)はあるだろうか?
あれば取り除いて欲しい。セットでは気になった頁だ。単品では買わなかったため、確認しようもない。
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