遊びが本気に(これは違うが)、とか、そのつもりがなったのにひょんなことから気持ちにスイッチ入るとか、そういう話は当事者の戸惑いをよそに、読んでいるこちらはやっとここに来たか、とスピード感がズレてしまう。どうせそうなるくせになかなか気持ちが熟
さないな、という具合に。
しかも、あるあるで考えられるのは、これが男性ならば、自分をからかっていたのかという怒りや、知らなかったのをさぞ滑稽だったろうと自嘲するといったようなリアクション。
ヒロインのキャラと、彼ギブの秘密が、唐突感なく繋がって結末まで読みやすかったが、取材は実際上どうする、プロポーズにケジメっぽさがない、取材対象の側近へのヒロインの質問が突撃で側近氏の反応がポーカーフェースで来たか、など、どこか読者に小出ししてきた情報に寄りかかって、ドラマの盛り立てがないがしろにされた気分はある。それもひとつひとつが、この作品のテイストだとも思えるけれど。
顔がスッキリ描かれていて、男性がチャーミング。女性も整っていて、ラブシーンがきれい。
結婚式のお呼ばれでピンチヒッターの彼と共に会場に向かう車の中のシーンは良かった。
もっとみる▼