ショーが終われば… 1巻

余りに夢のように楽しくて逃げたヒロイン、ホリー。
いつまでも続くと思えなくて、彼が自分のことを好きでなくなったら、自分がどうなってしまうのか不安になって。

自分のしたことを後悔する。傷つけてしまったと。
二度と戻らないかもしれない彼のことを想って。
ここが泣ける。
ヒロインの後悔が胸に響いてくる。
このページのヒロインの心の言葉には私も胸が痛んだ。

幸せを感じるときは、これは今がピークなのかな、もうこの先こんないいことはないかもしれないな、などと私も思うことがあるタイプなので何となくわかる。

こんな素晴らしい人が私のことを？だなんて疑っているヒロイン。
モテそうな人に対して、自分が本気になったらおしまいなんでしょ、と思うのと似てる。

さちみ先生は引き込むのがうまくて、立ち読み部分からグイグイとファッション業界の華やかなバックステージを、忙しく働くヒロインを、ハプニングでてんてこ舞いな姿を、生き生きと活写。これは読もうと、立ち読み部分終了して直ぐに決めた。

会うと楽しい時間を過ごせる二人。でも、ヒロインは彼を邪険に・・・
これ、彼の気持ちを推し量ると、"通じなかったのか"、"理解が進んだ気持ちになったのは勘違いだったのか"、など、はぐらかされたよりもっと痛い肘鉄に感じたことだろう。

引け目を感じて引けてたヒロインが素直に気持ちを伝えようとの心境になったとき、もう取り戻せないと思ったものが還った。

人は顔で判断したがる。
彼もまた外見で損をしていた。
ヒロインの気持ちもわかるし、ストーリーとしても、モデルとみまごう彼が現れ、短時間でどんどん巻き込まれていく日々がよく描かれていた。彼の良いところをたくさん思い出す数々のシーンの回想の見せ方と、そこに添えられる言葉が、読み手の私にもひとコマ毎に心に効く。


一連の流れに飛躍もなく、会ったときから彼の何倍も好きだったのだとまで本心を口にできるようになった清々しいところまでの道のりを味わえた。

このストーリーの魅力は、ホリーの気持ちの表現力の素晴らしさ。ヒロインが、もう遅いかもしれないけど今動かなくちゃ、と決意したときに、急いで！なんて応援気分にさせられるのだ。

いいなあ、自分への完全肯定。

男性の横顔に華不足の箇所があり、美化か、別角度がいいと思う。

ＨＱというよりも少女漫画を読んでいるような世界に浸る物語でした。可愛くて笑ってしまって、ホロッと涙してレビューそっちのけで、何度も読み返してしまうほど面白かった。ヒーローもヒロインもどちらにもコンプレックスは有って、悩みは両極のようでも 意味は同じで理解しあえる心地よさに気付き２人の世界が繋がっていくのを読んでいて微笑ましい。デザイナーで友人のジュリアの立ち位置に私を置いて見護るそして老婆心に溢れてくる。ハピエンを見届けても尚、もう一度始めからページを開きたくなるのだ。

何が違うんだろう。力量が違うのは勿論わかってるけど、感動巨編ていう訳じゃないのに、随所でウルッとしてしまう。ほぼ全ての作品が4以上の評価を受けてるさちみ先生、さすがです。今回はヒストリー専門かと思うようなさちみ先生にしては珍しい、しかもファッション関係がベースのお話、でも時代とか業界とか関係無いんだろうなぁ、才能が違う、すばらしい、作品というより先生が。絵自体は盲目に見える目(そんな作品もあったけど)や暗い雰囲気が好きじゃないけど、全HQ作品買ってしまいました。

前から気になってたのが半額になってたので即購入しました。さちみさんのHQ大好きです。このストーリーは悪者も意地悪な人も出て来ない。ヒーローもヒロインもお友達もみんな素敵な人でした。読み終わったとき爽快でハッピーな気持ちになります。コメディ風な笑いもちょこちょこ入って楽しかったです。泥沼でドキドキモヤモヤより、ほんわか幸せな気持ちになりたい人にオススメします。これが半額で買えるなんてラッキー！

さすが安定のさちみ先生、この作品も感動しました。おちびさんだけどキュートなヒロイン、ファッション業界にいることで余計に自分に自信がなくなったんじゃないかな、と思いますが、こういう元気いっぱいのがんばってるヒロインは好きです。ヒーローも美形ですごくもてるけれど、実は恋に不器用。そんなふたりが幸せになる最後は読んでる方も幸せな気持ちになれました。