何故か対立しあい、不穏な緊張が走る。居合わせる者達にとっては、場の空気が悪くて面倒な二人。
それでも、その二人は互いに意識してるからだとも想像できる。
内面を見せたがらないルネに、リコは知らぬまにひかれていた。
リコはルネともっと
知り合いたくなるが、彼女には踏み込ませない壁があり、親しくなってもかわされる。山猫の様に。
男女の心理の不思議なところを描こうとしてるが、ベールに包まれたルネの本当のところ、リコ視点が殆どなので、最後まで、隠す理由だけが鍵。紙片を燃やす行為にヒロインのガードの高さが伺え、解り易い。
ルネの奥底にはある願望もあったが、リコに対して突っ張る。
しかしその燃やされた紙片こそが、本心である可能性が高い。
ここは、このゲームの、相手の手の内をリコが知る転回部。
甘えた言葉一つとなく、強く反発しても、情を排する為に否定的な言葉を発しても、それでも、気になって仕方がない相手。
なんだかんだ言っても、ホレたらやっぱり負けだったね、というお話。しかし下衆な賭けなどまでして、ワンチャン狙いで本当に呆れる。
しかし、賭けの戦果は、それを書いたこと自体、ルネが知ってどうとらえたことか、物語の性質上最後まで明かさない。衝撃はあったろう。
手の内を全て見せたくはないのに、手の内を全てさらしたくなったリコが、でも結局このゲームの主導権は持っていた。理想の女でないルネ、リコや母親が結婚相手に一般的に求めるものは、結果としては持たざる彼女だったが、彼女の方は究極賭けの勝利を手にした。真の勝者はルネなんだろう。
そしてこのストーリー、愛に遠かったような二人こそが、実は互いに相手に誠実さを見せて熱い二人となるのだ。
他のレビューアーさん達の評価がビックリするほど高くないが、「ゲームの行方」、という観点で十分ゲームが展開したので私はそこまで悪くないと思った。
肉感描写は頁数こそあるにはあるが、パート1ほどでない。しかし、この場面多いと、変化のプロセス描写が手薄になる。
それにしても、謎めいたルネを作るための、年寄り富豪と結婚していたモデル出身の未亡人その他の設定が、あまりストーリーに活かされていない。
リコとの共通の関心事である馬のことも、話中消化はなかった。
珍しいビジュアルのヒロインに対して、リコはもう少しテレビ業界の臭いがあっても良かった気はする。
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