sweet sorrowは、直訳で「甘い悲しみ」、よく「切ない」と書かれている。この話は「切ない」との語で片付けるには辛さやちょっとした苦しさの配分が異なる印象。酸っぱすぎない甘酸っぱさや僅かな苦みもあるし、凄く重い訳でもなく寂しさや周囲か
ら浮いた感覚などをキャラ達が自覚したりする。楽しみや喜びなども欲張らずに噛みしめていたりしている。淡い消えそうなものを、薄いところを通過して来たような奇跡みたいに、漸く自分にも訪れたとして手に入れたものを大切にしていたりしているのだ。
人物の絵はそこまで個性で引っ張ってるところはないが、背景の絵には繊細な筆致に唸って何度も見入った。
ストーリーに特段大きな山波が用意されているのではなく、あくまでも登場人物達のささやかな日々にとっては大きなことが用意されて、その向こう、という描かれ方。
その彼女等彼等の環境は、漫画としてだから堂々成立しうるある意味特殊設定。そこに描かれたさざ波を通じて、小さな世界の住人たるキャラ達が経験してる出来事へ心を寄り添わせることが出来るよう、主人公の感じ取り方を丁寧に切り取っている。
単純にハッピーではないし、バッドでもない。微妙なところにある。が、総じてふわっとした穏やかな明るさ。
星は5と大いに迷ったが、回を追うごとに過去のストーリーのキャラのゲスト出演にピンと来なくなり、直前の話と関連付けるその趣向がいいのに無理矢理感も多少。
友だち少ない設定も、その割には?、という気持ち。そこで泣く泣く1つ調整した。
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