12ハッピージャムジャム太郎さんがつけた評価
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このお話、常に影があるし気持ち悪い異質な空気感が漂っている。主人公2人とも親という存在に悩まされていたが、親は子どもを守るものなのにどうして傷つけてしまうのだろうと心底考えた。隆道が自分のしたことの罪悪感に押しつぶされそうになっている描写に迫るものがあり見てるこちらも息が乱れてしまう。共犯というか徐々に共依存に変わっていくような感じも良かった。2人ともいつ死んでもおかしくないような儚さがあり、ドキドキしながら読んでいました。隆道は本当は優しい子だったんだろう…、弱かったのかもしれないけど、親がひどすぎる。友人や中島さんの存在が陽とするなら、対照的なのがまたしんどい、この2人が出会わず隆道が普通に育っていたら…なんて考えてしまう。(親が親なので本人はどこかで耐えられなくなってたかもしれませんが…)そこを狂わした四貴がまた愛くるしい。小悪魔的に愛らしい容姿からどこか闇を孕んだ存在感が最高すぎて、これが理想のヤンデレ彼女か…(ちがう)と息を呑んだぜ…スキ四貴はみちくん一筋だからみちくんを傷つける奴は厭わず排除したいし、中島さんの好意に気づいた時の表情とかも最高でした。歪んではいるけど、最強の愛を感じましたわ…。でも父親を殺したのは策士かなと。自分なしでは生きられなくしたかったんだと思います。2人とももう戻れないところまで来てしまって、共依存関係になっていました。。首絞めも切なかったです。この2人は出逢ってはいけなかったんだと思いますし出逢ってよかったのかもしれません…それは分かりませんが、「忌望」というタイトルがしっくりきました。殺人において、ちょっと事件性なく片付けられてたのはどうやったんだ!?っていう疑問はありましたが、とても面白い作品でした。不穏なストーリーが好きな方に本当に本当にお勧めします。少しお高いですが購入して正解でした。(閉じる)
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