巧みな技術を持っているのにコメディータッチに描いているのは好みだからでしょうか?展開も絵も素晴らしいのに、コマを大きく割くところはオチャラケたところばかりなのが目につきます。それでも、表現には申し分なく展開もテンポが良いので、他の作品に比べ
て頁字数が少なく感じてしまうほどです。ケイトの上司とのトラブルから展開していく、時にはオチャラケた大げさな行動の絵、ザックとの時間のシットリとした絵のギャップがケイトの心の動きのヒダまでも感じさせてくれています。しかし、残念なのはザックの孤独を表現しきれていないところ。P122の場面ではザックの表情のない横顔をもっと大きく書くことでそれがアピールできたのではないかと考えてしまいます。成功者ザックのトラウマを持つ只の男性、一般人ケイトのトラウマを持つ只の女性、運命的に出会って恋におち、ケイトが頑なで誠実であることが、ザックの誠実さを目覚めさせて結ばれる素敵な物語でした。
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