年頃。
冷やかし、からかい、イヤミ、もがいて友達探して、居場所探して。嘘つかれて、全部イヤになったり。
見えなかったものが、少しずついつの間にか進む時の経過と、ふとしたきっかけとで、突然何か見える。気づく。人との当たりが変化する。自分も
変わってくる。
舌足らずかもしれなくても、そんな、饒舌さの無いところが、作風にも繋がっていくから不思議。
青春二様?、二態?の望月先生流短編。
「鍵」(別の巻)の方はBL色が極薄く入り込み、こちらの作品ー前半ーは女子の同性間の感情(思春期の一時期に走る、たまに散見される現象なのか、ずっとかは不明)が描写され、彼女彼らの心は、恋愛のステージが意識されていないうちに語られる。何かある度に自分を見つめ、友のことを分析し始める。
このストーリーは評価分かれるだろう。
ただ、キャラたちの不器用さ、閉塞感、敏感さと鈍感との危うい同居など、描いているものは、あるようでなかなか無い。一見、平凡な日常なのに、当事者には平凡では決してない。
訳ありの家族問題を背後に、巻き込まれて振り幅を余儀なく大きくされた、としごろ登場人物達が、歯をくいしばって過ごすのを静かに見せつけてくる。
特異なところを繊細に捉え、ストーリーより心象の方が本当に雄弁。
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