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日本語の奥深さ
私もまだまだ日本語の知識が浅いんだなと思いました。勉強になりました。
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子どもたちの想いが形となった本です
長野県立子ども病院。この病院には『院内学級』という、長期入院している子どもたちのための小さな学校があります。かつて、闘病の末に11歳で亡くなった女の子が書いた詩が話題になり、多くのメディアや道徳の教科書で取り上げられたり、この院内学級を舞台にしたドラマも放映されました。
私は今まで院内学級のことを、長期入院している子どもたちが病院でも勉強ができるように、退院して学校に復学した時に勉強についていけるように……といったことが主な目的だと思っていました。しかしこの本を読むと、子どもたちにとっての院内学級とは『勉強ができる場所』だけでなく、自分と同じような重い病気と闘い、向かい合っている子どもたちと交流ができるといった『精神的な支えとなる場所』でもあったことがうかがえました。
この本はその院内学級で学んでいる子どもたちの様子だけでなく、彼らが入院中に作った詩や作文、カレンダーの絵といった作品も数多く収められています。表紙に描かれている子ども病院のイラストもその1つです。彼らが病気と闘う中で家族や友だちとの触れ合いや、入院生活の中で得られたもの、素直な想いがそのまま形となった子どもたちの作品集です。
この本は、大人だけでなく小さい子どもたちにも読めるように多くの配慮がされています。全ての漢字にふりがながついていることや、難しい言葉があまり使われていないなど、全体的に読みやすい本でした。初版から15年以上経っていますが、この先もずっと語り継いでほしい内容です。
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『生』について考えさせられる本
この本は『子ども病院からのメッセージ』の内容と少し異なり、子ども病院に入院していた子どもとその家族を数組ピックアップしたお話が数編と、院内学級の詳細をまとめたお話が掲載されている短編集です。この本も全ての漢字にふりがながついているので、小さい子どもでも読めるようになっています。表紙のイラストも前回紹介した本と同じく、かつて院内学級で学んでいた子どもたちが描いたものです。
入院していた子どもたちは多くの詩を残しており、中には子どもが書いたとは思えないほど大人びた詩もたくさんあります。長期間の闘病によって境地に達したのでしょうか。多くの子どもたちは達観した考えを持っています。詩を読むと、今の私が大きな病気をせずに自分で食事ができる、自分の足で歩き、走る。人と会話する。趣味を楽しむ……その『当たり前の生活』を過ごせることがとてもありがたいことなんだと実感させられます。
今の自分が大変、苦しい、つらい、とそのままへこたれるのではなく、自分より大変な思いをしている人がたくさんいるということを忘れずにいたい。そして、いただいた命を無駄にしないよう、少しでも人の役に立ったり、生きた『証』を何らかの形で残したい。そう強く思える内容でした。
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