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新たな出会いが
表紙含めて396ページ。それぞれ短編で手軽に読めること、作家様ごとの味わいがよかったです。
巻頭の、二代目魔王と4年に一度の休暇話は設定が面白かったです。
王道のすれ違い『嘘の溺愛なんていらないのに!』目的でしたが、『おひとりさま魔術師はまだ春を知らない』は他の方のレビューから読んでみて、新たな出会いになりました。疲れた大人が雪籠りの日に突然来た男が詐欺師ではないかと疑いながらも、“(いずれ壺が出てきたら…壺を買おう)”と夢のような七日間を過ごす代償に立派なカモになる決意を固めるところなど、設定や表現がとても好きでした。
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違う世界を見る主人公
死に戻りということで、二度目の世界で一度目と同じ轍を踏まないように頑張る主人公が、努力しながら成長していく様がとても可愛いです。
ストーリーそのものもすごく面白く、かと思えばそのキャラクターをここに持ってくるの!? というような思いもよらない設定があったり、なにより丁寧な文体で、主人公が一度目に見られなかったであろう世界を信頼できる人と一緒に見ているシーンがふとしたタイミングで何度か出てくるのがとても良いです。
いくらでも重たく悲劇的に書けるはずの内容を、ポップな雰囲気で書いているというのもまた画期的だと思いました。重苦しくガツンと響くような物語ではないですが、幸せとは何かとか、責任とは何かとか、世界はどう見たら美しいのかとか、そういうことに気づかせられます。
とても楽しく夢中で読んでしまいました。続きが待ち遠しいです。
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