あなたがふざけてるんじゃなければ、これは夢?/だって...今まで誰からも本気で愛されたことなんてないのよ、わたし?
ヒロインのセリフだが、そんな彼女に彼はストレートに見事にゴール。息子アンドリューのアシストも巧み。
二組の親子関係の
描写が話を豊かにしている。
年頃の男の子のママ設定は意外に珍しい。
「寄り道の恋」(リズ・フィールディング/牧あけみ)は思春期の女の子だったが、あちらは相手の子。本作は自分自身の息子が彼女持ちの高校生男子。
おとなしいいい子ちゃんでないのが、また自然でよい。
荻丸先生の男性、時々面長の顔のバランスが、ギャグ顔としてもイヤだと思うのがある。54頁の「...苦手だな」の間延びした顔は特に。目鼻の造作のアンバランスがどうもHQのメインキャラと私が認めたくなくなるブサ面、0.5は下がった感がある。
71頁もあ〜ぁ、のため息もの。
ヒロインの日常に、社長がトラブルをきっかけに巻き込まれ、息子とのあれこれに状況取り込まれ、気づいたら何でも話せる相手に。 親切をしたくない相手にも親切をしたヒロインのキャラが彼を熱くしたか。
お父さんのロンが温かい経営者だった。従業員達は彼に愛されていた。その感じがまた、読んでるこっちのハートがつかまれてしまう。こういう会社、どこかにホントにないかな、と思う。
息子の現社長は数々の買収を手掛けてきた人物。ヒロインや町の人の多くが勤務する、ロン亡き後のその製紙会社も、手放す気満々で乗り込んで来てる。
HQは最初やな感じで彼登場というのも多いので、いつ軟化するかと思ったら、ヒロインのキャラが積極的に自分のやりたいことをやろうとするタイプである為、するする彼女の土俵に引っ張り込まれて、割合早期に彼は懐柔される。
自社製品に愛着あるシーンを効果的に使ってストーリーに巧みさ光る。シャワーのこともいい小道具。
(冒頭外は雪なのに寒くないのか?お風呂でないと駄目な私には信じられない!)
火遊びであるのか否か、無闇に腹の探り合いさせず、彼の直球は、ヒロインの戸惑いの「これは夢?」に繋がってドラマを盛り上げる。
子どもとのやり取りは、娘を持つ私にも十分身に覚えが。まだ若いと思いたくても、当人達が真剣ならば親は引き下がらざるを得ないか、というところまでも既視感が。
親たちの幸せに立ち会った息子達も順調に育んで、見事パックをゴールに入れてね。
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