Part1「海檬果殺人事件」の舞台は台湾。特別捜査官・郷左六の登場から子守りの殺人事件、巨額詐欺の仕掛けと犯罪事件、そして「血文字」意味が暗示され、スピード感溢れる推理サスペンスのめくるめく展開となる。そして謎解きの殺人事件は、路傍の占い師の登場から思想的背景を暗示させる深みをかもし、悟りとは何かという奇妙な問いかけも束の間、再び海檬果(ハイモンク)による殺人事件の謎が深まる、巨大な国際組織と暗躍する群雄と南禅思想を背景とした、無類のミステリー・サスペンス。「血文字」とは何か? 読者の世界観を崩壊させる、夢寐(むび)の欠片がミステリーになった、純文学を超えたミステリー・サスペンスの傑作三部作。ストイックでカリスマの魅力溢れる現代の群雄列伝を描いた、超新星文豪、鬼才・名邑十寸雄(なむらときお)渾身の書き下ろし。