「アブのリールとハッセルブラドのカメラ。何れも、スウェーデンを代表する優れた精密工業製品である。だが、アブがカメラを作ろうと考え、同時期にハッセルブラドがリールを作ろうと考えていたことは、意外に知られていない。これは事実である。」という出だしの文章からも想像がつく通り、著者はアブマニアであり、ある種コレクターですらある。ただし、そのコレクションには“実用”もしくは“必要”という大前提がある。使えるからアブが好き。用途が違うからいくつかのアブリールが必要。そして著者はその違いを語りたくてたまらないのだ。結果、読者にはその魅力と違い、アブリールの誕生と歴史を理解し感じることができると思う。巻末には貴重な復刻版を含む2007年版カタログを掲載している。