身代わりを演じた私が
彼への愛を口にすることは許されない。
ベスは双子の妹の頼みに驚愕した。妹は実業家マーコスの秘書として
高給を得ているが、社内不倫のあげく妊娠したうえ、
出産が終わるまでベスに身代わりを務めてほしいというのだ。
話を聞くかぎり、マーコスは社内恋愛すら許さないワンマンな社長だ。
とはいえ、ただ一人の妹のためにできるだけのことはしてあげたい。
妹になりすましたベスは、緊張しながら出勤した。
そして初めてボスであるマーコスと対面し、息が止まりそうになった。
傲慢さをにじませながらも、荒削りさがセクシーな男性。
ぼうっと立ちつくすベスは、そのときは想像すらしなかった――
マーコスと恋に落ち、運命の皮肉さを思い知らされることになるとは。■双子とはいえまったく性格の違うふたりは、いつも姉ベスが妹ローラのお守りをすることになるのですが、今回の難問にはさすがのベスもお手上げです。相手はとうていたちうちできないほど傲慢なボス。その上、彼はありえないほど魅力的で…。