冷凍といえば、赤身が美しいマグロやチャーハンといった冷凍食品がまず思い浮かぶ。凍結して鮮度を保つ手法は、不妊治療などにも使われているが、近年、生命との関係で、さまざまなことがわかってきた。体長1センチのヌマエラビルは、零下196度で凍結しても解凍すれば生き返り、一部の昆虫などは、過酷な環境下では、生と死の狭間の「クリプトビオシス」という状態に移行することで生き延びる。「獲得形質は遺伝しない」としてきた遺伝学の常識を問いなおす「エピジェネティクス」、STAP細胞でも話題となった「細胞の初期化」なども含め、最新の生物学が明るみに出した生物学の新常識を紹介する。