このレビューはネタバレを含みます▼
詩集として、中原中也の生への考え方や、心の中身に触れることができる作品です。中でも「汚れつちまつた悲しみに」という文が繰り返し用いられている詩は、哀愁感が漂ってくる印象を受けました。彼の若い頃の詩がまとめられているのですが、二十歳前後で既にここまで、生きることへの捉え方が確立されていたというのもすごいと思いました。一般的に若い頃は情熱的な作品を生み出している作家さんが多いイメージを持っていましたが、中也のように独自の表現力を大切にした人もいるということを知りました。