甲田先生の作品には様々なオカルト要素や蘊蓄が含まれていますが、今作は和の恐怖が感じられました。閉塞感のある田舎を舞台に、じっとりとしてむず痒いようなジャパニーズホラーが展開されます。
最初の日本人形を用いた呪詛から始まり、犬神憑や丑の刻参
りなど有名な呪いの由来や解説などが沢山載っており、勉強になったと思ってしまいました。内容はそこまで血みどろグログロではないけれど、表現が痛々しくてまるで精神攻撃をされるよう。じわじわと恐怖が心に染みてきて後を引きます。特に三巻読後の後味が悲しいやら虚しいやら……。
問題があるとすれば、打ち切られてしまったのか作品が未完結のまま続巻ないようです。登場人物の掘り下げや物語全体の結末が分からないのが本当に残念ですが、楽しく読む事ができました。
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