茜は後継ぎ鷹丸の遊び相手として、豪商天鵺家の養女となる。数々の謎めいたしきたり、異様に虫を恐れる人々、鳥女と呼ばれる少女の姿をした守り神。奇妙な日常に茜がようやく慣れてきた矢先、屋敷の背後に広がる黒羽ノ森から鷹丸の命を狙って人ならぬものが襲撃してくる。それは、かつて魔物に捧げられた天鵺家の娘、揚羽姫の怨霊だった。このままでは鷹丸が犠牲になってしまう!一族の負の連鎖を断ち切るため、茜は魔物に立ち向かう決心をするが……。『送り人の娘』『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』で注目を浴びる、気鋭の著者が贈る傑作時代ファンタジー。