六年前、私はあなたへのプレゼントにされた。でも、十六歳の私は売春婦なんかじゃなかった。フィービがウェイトレスとして働いている喫茶店に、最近、幼い少女の客が一人で毎日現れる。気になったフィービは少女にいろいろと話しかけたが、少女の住んでいる場所の名を耳にして、言葉を失った。六年前、友人の裏切りに遭い、屈辱にまみれた家もたしか…。フィービの脳裏に、あの夜の悪夢がまざまざとよみがえった。別の日、子守りが迎えに来ないために泣き出しそうになった少女を、フィービは家まで送っていくことにした。だが、家に着いて少女の父親の顔を見たとき、彼女は思わず息をのみ、あとずさった。その男性こそ、六年前、酒に酔わされ、全裸でベッドにいた十六歳のフィービを、売春婦呼ばわりして冷たい目で見た、ドミニク・アシュトンだった。