今の時代恋文なんてものは廃れてしまった文化ですが、どんな飾らない言葉でも相手への想いがこもった形の残る人の想いと言うもので…。
昔の人が後生大事に遺して置くという恋文の存在はよく聞きましたが、なる程、とこの作品を読んで恋文の存在のの大きさ
が染み入りました。昔も今も、特に昔の男性は愛の言葉や想いを表には滅多に出さなかったでしょうから、殊更形として残る自分への想いの文は宝物ですね。
宵の恋文は不器用で、普段感情を表に出さず、鈴への気持ちも口には出さないように同じく、愛の言葉という言葉は並べられていないけど、凄く凄く考えて不器用ながらも相手を大切に想いながら書いたのだな、と思わせられました。考えた作者様の底力を見ました。
昔の無骨な、愛の言葉など殆ど述べず、お見合い結婚が当たり前で、子供を残す事が要求され、女性が後ろに下がるのが当たり前な時代。けれど確かにその時代の中でお互いを理解して、切磋琢磨しながら仲睦まじく愛を育んで不器用で無骨なりに二人の関係を築いていったその時代。
時が流れ現代、おじいちゃんおばあちゃんになっても仲睦まじく手を繋いで隣に居続ける夫婦を思いうかべました。
そんな夫婦のお話です。
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