私の中で一番許せないのは性的暴行がそもそも可能である世界と、それを取り巻くありとあらゆる不平等だ。この本の中で枚挙されている個々の事柄も解消されるべく皆が努力すべきだと言う事に異論は無いが、私はどちらかと言うと自らが、無意識にでも何かしらの
不平等に起因して居ないかどうか、細心の注意を払い続けるので精一杯だ。顧みてはっとする事もある。システム・法律・社会・文化、諸々に細胞の様に存在する不平等に対して刀を闇雲に振るうより、どの性を持つ人間もそれぞれが自問する事を促す方が効果的では無いかと思うのは安易な考えなのか。
本文で「男らしさ」も「小さな檻」だと評した著者が、巻末に「男もフェミニストであるべき」好例として自らの弟を「とても男らしい」と紹介するのは自縄自縛なのでは?
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