デビュー作『会津執権の栄誉』が第157回直木賞候補に!
ますます注目を集める新人作家・佐藤巖太郎の
オール讀物新人賞受賞短篇が電子書籍オリジナルで登場
山形藩二十万石の大名・保科正之から呼出しを受けた北町奉行・加賀爪忠澄。
保科の頼みは、切支丹の疑いありと訴えられている牢人・梶原伝九郎について、
拷問による自白ではなく、正しい裁きをしてほしいと願うものだった。
梶原伝九郎を訴え出たのは、実の弟・八太夫である。三ヶ月前のことだった。
同居する兄が十字架に向かい祈りを捧げている姿を目撃したという。
しかし伝九郎は疑いを頑強に否認。でうすの御影が描かれた絵も躊躇なく踏み、
仲違いしている弟による自分への誣告だと申し立てた。
いったいどちらが嘘をついているのか――。
そんな中、伝九郎の所持する『伊勢物語』の中に、耶蘇教を崇める呪文が発見され、
事件は思わぬ展開を見せる――。