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イノセント・デイズ(新潮文庫)
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イノセント・デイズ(新潮文庫)

710pt/781円(税込)

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作品内容

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

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  • イノセント・デイズ(新潮文庫)

    710pt/781円(税込)

    田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

レビュー

イノセント・デイズ(新潮文庫)のレビュー

平均評価:4.0 8件のレビューをみる

最新のレビュー

  • (4.0) 何とも言えない
    ピクルスさん 投稿日:2024/2/21
    【このレビューはネタバレを含みます】 読んでる間もシンドイうえに読後もモヤモヤが残ります。 平たく言えば、し刑という国のシステムを使ったじさつのお話です。 主人公の彼女自身は目的達成で満足でしょうね。ただ、その為に更生する機会を失った真犯人達はどうなるのでしょう?1人は事故し?で、残りは? あまりにも荒唐無稽でふざけたお話なのに、読んでいて痛みを感じるのは何故なのか。どこかに救いが有ればと願うのも虚しい気持ちです。 続きを読む▼

高評価レビュー

  • (5.0) 救いがないわけではない
    りーさん 投稿日:2023/11/10
    【このレビューはネタバレを含みます】 結局「死刑で終わる」という話なので、冤罪が晴れること、苦しくても幸せのために生きることが正しいと思う人は「救いがない」と思うかもしれないけれど、私は死刑を執行されることで幸乃は「救われた」と思いました。彼女は自ら望んで罪をかぶったし、心の底から生きていたくないと思っていた。もし冤罪が晴れて釈放されたとしても、生きる気力を取り戻せなかったでしょう。現実に照らし合わせると袴田事件が有名ですが、死刑判決が出てから冤罪で無罪を勝ち取るには数十年の月日がかかります。冤罪ですハイ釈放というわけにはいきません。本人がそれを望んでいれば別ですが、元々生きる気力のない人が裁判で冤罪を勝ち取るまでの年月に耐えられるとは思えないのです。幸乃自身は悪い人ではなく、むしろ心が美しく純粋な良い人で、周囲の人々に愛され、ずっと必要とされていました。家族や友人、知人の描写から見るにつけ、それが感じられたのが私にとっては「救い」でした。ただ、絶望的に運が悪くて、その純粋さを利用されてしまったのだと思いました。昔からの友人である慎一や翔に再会できて話ができたことも、幸乃にとっては「救い」だったのではないでしょうか。彼女を必要とする人は最初は甘いことを言って、最後に裏切るパターンでしたが、彼らの態度は「幸乃を助ける」ということで終始一貫していたのですから。ただ、人間には愛情を受け取る器があって、幸乃は今まで信頼していた人達にその器を粉々にされたので、幼なじみからの愛情を受け取れなかったのだと思います。彼女の精神は敬介と別れた時に死んでしまっていたかもしれません。生きる気力が無いので自ら死を選びたかったけれど、聡からの言いつけを破ることになるのでそれはできない。誰か何かに自分の肉体を殺してもらわなければならない。あまりにも残酷で悲しい結末ですが、彼女は死刑を受けることで生の呪縛から解放された。生きる苦しみから救われたのです。こちらの作品は日本推理作家協会賞を受賞していますが、推理小説とかミステリー小説という目で見ると少々疑問が残ります。警察の捜査が杜撰過ぎやしないかなど、ツッコミどころもあります。けれど、この作品を読むと幼い頃の友情や家庭環境、冤罪事件、マスコミの偏向報道について、何かしら胸に去来するものがある。それを楽しむ作品だという気がしました。 続きを読む▼
  • (5.0) 作品への評価
    ぴひこさん 投稿日:2022/8/22
    【このレビューはネタバレを含みます】 読後は三日寝込むというオススメ(笑)の本。 体調万全で読みました。 読み始めから、おそらく冤罪事件なんじゃないかと予測する。報道から受ける事件の容疑者像と、彼女と実際に関わった人々の中にある人物像との乖離。章ごとに彼女と関わる人物は変わるのだけど、歳を追うごとに状況は悪くなっていくばかりで、まるで救いが見出されないのが辛い。特に第三章は負の連鎖で、必要とされていると信じていた幸乃に対して、保身に走り利用価値しか見えなくなってしまった理子との関係が、どうしてそんなことになってしまったのかと、いつまでも気持ちが晴れない。幸乃は最初から最後まで、理子のことを心根は優しい子だと見抜いていたのに。そう、幸乃は本質を見抜ける子だなというのは、翔と慎一を比較するとよく分かる。(ドラマ化されてたんですね。翔…新井浩文、慎一…妻夫木聡、なるほど。) 色んなことが、ちょっとずつズレたり掛け違えたりしてしまったことで取り返しのつかないところまで行ってしまったお話、と取れる。 産婦人科の丹下先生、幸乃の母のヒカル、それから慎ちゃん。読んでいるページが明るく光っていたのはこの人たちが自分のやるべきことを一生懸命全うしようとする姿がそこにあったから。 明るさが際立ったのは、慎一が八田と最後に公園で会うシーン。慎ちゃん頑張れ!と初めて涙が出た。 ここから何とか逆転無罪をと願うも…この本の表紙の不穏さから、多分それはないだろうとも推測…。 内容の胸糞悪さに比して、構成は素晴らしく、その物の香りや温度などが感じられる表現もリアルで、物語としてよく出来ていると思う。オススメいただいた方に感謝です。 5は純粋に作品への評価。とても面白かった! 続きを読む▼
  • (4.0) 最近
    ジローさん 投稿日:2019/1/31
    早見さんの作品をよく読みます。海外ドラマにありそうなストーリーでしたが、徐々に明らかになる事実に切なく苦しくなりました。本当の幸せを感じたり求めたり出来ない人格を形成してきた人生・・悲し過ぎて、幸乃を何とか助けてあげたい衝動にかられました。 。 育つ環境が人を生かしも殺しもし、人との関わり方で、誰もが被害者や加害者になり得る事とか、そういうメッセージが詰まった作品だと思います。 もっとみる▼
  • (4.0) 噂通りのウツ小説
    あんこさん 投稿日:2023/10/12
    力のなかった子供時代の黒歴史と真摯に向き合うのは本当にツライ。棘となって刺さった傷は消えたり跡に残ったり。それをバネにしたり、出来ずに後悔で終わったり、開き直ったり。そこに命の期限を突きつけられた人間〜かつては深く関わった人であるとき、どう 自分は生きるのか?そんな事を考えさせられた。 もっとみる▼
  • (4.0) 救いがない。
    コマキさん 投稿日:2022/11/12
    【このレビューはネタバレを含みます】 どんどん引き込まれて一気に読破した。主人公がどんどん不幸の道を歩んでいく。末路は死刑台。死刑台に向かうために、発作を収めるというところは鳥肌が立ち、目を閉じて読むのをひととき中断した。涙が止まらなかった。読後、上手く言語化できないけどモヤモヤが大きかった。 続きを読む▼

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