中世ヨーロッパの文化や風俗について分かりやすく解説した内容です。
全242ページ。
中世の生活全般についての大まかな解説『第1章 中世とは』、
それぞれの階級・土地での暮らしについての『第2章 農村と森林』、
『第3章 都市とギ
ルド』、『第4章 教会と聖職者』、
『第5章 王宮と城砦』の全110項目が収録されています。
1項目に付き1pの簡単な文章とそれをシンプルにまとめた図解1Pでの解説、
教科書のテキストと違い面倒な用語は必要最低限、年号などもほとんど
出てこないので読みやすいです。
中世でも地球が球体であると知られていたり、意外と入浴していたり、
領主の手先であるパン屋や粉挽きは村人から良く思われておらず、居酒屋の
主人は彼らをスパイしていたりと、イメージと違う面が色々とあり、
楽しめました。
特に権力者が如何に楽に搾取するか苦心する社会構造については万国共通。
中世の日本と似た面もあり、大変興味深かったです。
ただ広くて浅い入門書的な内容なので、なにかについて深く知りたい場合は
不向き、これを読んで大雑把に理解した後に専門書やウェブで詳しく
調べるのが良いでしょう。
また、多くの著書を参考にしている為か時々文調が変わったり、難しめの
漢字にルビが振られていない個所があるのが少々残念。
総合的にはあっさりしてやや地味な内容ですが、中世の入門書としては
分かり易いので、おススメです!
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