高級住宅街、奥麻布階段下三丁目の大きな屋敷跡に、工事が入ることになった。そうすると、空き地に生い茂ったセイタカハヤダチソウは、すっかり刈り取られてしまう。「これまでセイタカハヤダチソウでヨルジョヲンを抑えていましたが、刈られてしまっては仕方ありません。私たちの手で抑えなければ」。そう語るのは、髪の一筋を薄茶色に染めた細身の美女、緋芽流祇(ヒメルギ)。そこで、厚生労働省衛生調査室の衛生調査員である小野鹿乃子が、緋芽流祇と一緒に妖怪ヨルジョヲンを退治することになった。二人は、好物のたい焼きを手に、巨大な敵との戦いに挑む。